コロナワクチン接種のすすめ

コロナワクチンの定期接種が始まります。新型コロナウイルスは、現在も高齢者にとって重症化のリスクが高い感染症です。以前より弱毒化したとはいえ、インフルエンザよりも重症化し、命にかかわることが多いことは間違いないことです。特にご入院中の方は、免疫力が低下していることもあり、感染した場合に肺炎や合併症を引き起こす可能性が高くなります。感染の予防、重症化予防をするにはワクチン接種しかありません。ウイルスに感染してからお薬を飲んでも、体力が奪われ、その後衰弱してしまい、細菌の二次感染を引き起こすことも大きな問題になっています。患者様ご自身を守るにはワクチン接種を受けるしか方法がありません。当院では皆様にワクチン接種を受けていただきたいと考えております。インフルエンザワクチン接種も大事ですが、コロナワクチン接種も非常に重要です。

コロナワクチン接種が始まったころは、mRNAワクチンという新しいワクチンしかなく、ワクチンの副作用によって重大な副反応がでた方もいらっしゃいました。しかし、ワクチン接種によって多くの方の命が救われたことも事実です。現在ワクチン接種率が低下し、コロナウイルスが弱毒したにも関わらず、死亡者が増えています。感染症に備えるにはワクチンを打つのが効果的です。そのためできるだけ多くの方に接種していただきたいと願っております。

今回当院で接種を予定しているワクチンは、従来からインフルエンザなどで用いられている不活化ワクチンです。この新型コロナワクチンは、日本の武田薬品が製造しており、最新の流行株に対応したもので、mRNAワクチンと同程度の効果が確認されています。副作用については、これまでのmRNAワクチンより副反応が少なく、多くは一時的な発熱や腕の痛みなど、従来の一般的なワクチンと同程度の軽度なものばかりだそうです。万が一の際にも医療機関内での接種ですので、すぐに対応できる体制を整えています。

ご家族として「副反応が心配」「本当に必要なのか」と感じられるのは当然のことです。しかし、ワクチンを接種することで、特に高齢者の方や持病のある方が感染によって長期の治療や寝たきりになるリスクを減らすことができます。これは、今後の生活の質を守るためにも大切な選択です。大切な人の命を守るための選択でもあるのです。

当院では10月10日よりワクチン接種を開始いたします。私たち医療スタッフは、体調や既往歴を十分に確認したうえで、安全に接種できるかどうかを判断しています。ご不安な点があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

皆様の健康と安心のために、予防接種にぜひご理解とご協力をお願い申し上げます。



有吉病院 院長 田中圭一