お知らせ
姉妹病院である韓国イソン療養病院の孫院長による講演会が行われました。当院と同じ尊厳ケアを、韓国で先駆的に実施されてきた孫院長の老人医療に対する想いが伝わってまいりました。これから日本以上の急速な韓国高齢化社会を見据えた孫先生のビジョンは、必ずこれからの韓国療養病院を牽引するものだと実感いたしました。
講演中の「職(仕事)を業(スキル)とする」という内容に、自身を更に専門職のスペシャリストへ高めたいと思う、職員の士気を感じることのできたよい場ともなりました。
今年は医療法の改正もあり、新たな動きもありますが、当院の理念を貫き患者本位の最高のサービスを提供することで、これからの変化にも対応していきたいと思っております。
H27年8月18日の14時から15時30分まで、当院デイサービスセンターにて「騙されんばい!悪徳商法」という講演会を行います。講師は消費生活専門相談員の徳原直美氏です。
最近高齢者を狙った詐欺、悪徳商法が横行しております。どなたでも参加できますので、巧妙化する悪徳商法の対策として、お話を聞かれてみてはいかがでしょうか。
病気を治すだけではなく、日ごろからも皆様のお役に立てる病院でありたいと考えております。
「終の住処での医療と介護の在り方について」~在宅と病院での終末期医療~というテーマでした。
住み慣れた地域で暮らし続け、最期を迎えられるような施策の一つとして、地域包括ケアという仕組みが整えられてきています。しかし、病院で亡くなる人が8 割を占める現実の中、重度の障害のある高齢者の方々にとって、終の住処として最後までその人らしい暮らしが保障されているかは疑問です。最後まで尊厳ある暮らしが継続できることはだれしもが願うことであり、その先に満足いく看取りがあると考えています。ほとんどの人が終末期の延命を望まず、自然で安らかな最期を希望しているにも関わらず、病院では平穏死が叶えられないことが少なくありません。終末期の見極めは難しく、家族の死生観も様々であるため、終末期の医療は難題ばかりです。本セミナーでは、病院での平穏死が難しい理由を説明し、当院の取り組みを紹介しました。
当院は長年暮らした自宅に住めなくなり、病院で最期を迎える高齢者に何が必要かを考え、その人らしい暮らしを保証するためにケアの改善に取り組んできました。環境整備の重要性を痛感し、その行きついた先が個室ユニットケアでした。当院の介護療養病棟はすべて個室であり、医療療養病棟36床は個室で残りの20床は2人部屋です。個室ユニットケアを行っている病院は日本に4軒しかありません。
個室ユニットケアは、
① 少人数ケア体制を作り患者や家族と関係を強化できる。
(馴染みの関係)
② 自分の住まいと思えるような環境を作ることができる。
(プライベートルーム・暮らしの継続)
③ これまでの生活習慣を尊重する事が出来る。(個別ケア)
④ 24時間の介護と医療で、暮らしを保障することができる 。
⑤ 固定配置により患者の変化が気付きやすい。 特別なケアに熟練できる。
⑥ 急変や重症者に対応しやすい。
⑦ 院内感染のリスクが低い。
⑧ 認知症の問題行動が減少する。
⑨ 面会者の訪問回数や時間が増加し、家族との関係が深まる。
⑩ 緩和ケアや看取りがスムーズに行える。
などの利点があります。
当院は病院でありながら、往診と訪問看護とヘルパーの来る自分の部屋のような環境であり、終の住処として最後まで生活を支える医療が提供できていると考えています。当院には個室料という負担金はありません。病院にしか居場所がなく、入院が長期に及ぶ重度の疾病や障害を持つ高齢者ほど個室環境が必要と実感しているからです。